馬(ウマ)は消化能力が低く食性も狭いため、食用として飼養した場合は牛(ウシ)や豚(ブタ)と比べて生産コストが高い。 一方、廃用乗用馬があり、また一般的には消費者による選好性も牛肉や豚肉に比して低いことから、馬肉は安価な食肉として、ソーセージやランチョンミートのつなぎなどの加工食品原料や、ペットフード原料に利用される。ただし馬刺しなどで利用可能な部位は比較的高値で取引される。地域によってはタブー食とされる。
食肉 食馬肉は、他の畜肉と比較すると栄養価が高く、滋養強壮、薬膳料理ともされる。
•牛肉、豚肉、鶏肉などより、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低 飽和脂肪酸、高タンパク質。
- タンパク質が多いだけではなく、アミノ酸が20種類程と豊富。
- ミネラルの内、カルシウムは牛肉や豚肉の3倍、鉄分(ヘム鉄)はほうれん草・ひじきよりも多く、豚肉の4倍で鶏肉の10倍を含有。
- 多種のビタミン類の含有が豚肉の3倍、牛肉の20倍。ビタミンB12は牛肉の6倍、ビタミンB1も牛肉の4倍、ビタミンAやビタミンEも多い。
- 牛肉の3倍以上のグリコーゲンを含有。
日本では生食(馬刺し)されることも多いが、衛生管理には注意を要する。
- ウマは、反芻動物ではないため、大腸菌O157のリスクも低いとされ、カンピロバクターの感染リスクも低いという報告もある。また、奇蹄類であり、発症例から口蹄疫のリスクは低いとされている。
- 寄生性原生生物のフェイヤー肉胞子虫(ザルコシスティス・フェアリー、Sarcocystis fayeri )に感染した馬の生肉による食中毒(サルコシスチス症)の事案が2011年4月25日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会において報告され、2011年8月23日には「S. fayeri の検査法(暫定法)」が通知されている。
部位 馬肉の部位の名称とその特徴は、牛肉や豚肉のそれと大きなずれはない。ただし、ウマにしか存在しない部位もある。また、牛肉や豚肉ほど共通規格が徹底していないため、地域や業者によって呼称や部位の分け方が異なる場合がある。
- ロース
- 肩ロース – 馬刺しのほか、しゃぶしゃぶなどに用いられる。
- リブロース – 背中。商品価値が高い。
- サーロイン
- ヒレ
- バラ
- 肩バラ – 「霜降り馬刺し」とされる。
- バラオビ – 後バラの内側。サシが多く、加熱料理に向く。
- モモ
- クロッド – ウマの上半身。赤身として流通する場合が多い。
- ランプ – ウマのお尻。
- シンタマ – ウマの下半身で、モモ系の中で肉質が柔らかい部位。さらに「シンシン」など4つに小分割される。
- 外モモ – 馬刺しの赤身とされる部位
- 内モモ
- コウネ – タテガミ部分の脂身で、馬肉独特の部位。
- 内臓等
- センポコ – 大動脈を指す筑後方言。福岡県久留米市などで焼き鳥のようにして利用。
- ハツ、ハルツ、ヘルツ – 心臓
- ダルム -小腸
- タング – 舌
Wikipediaを引用