ビール(英:beer, 蘭:bier)はアルコール飲料の一種。主に大麦を発芽させた麦芽(デンプンが酵素(アミラーゼ)で糖化している)を、ビール酵母でアルコール発酵させて作る製法が一般的である。現在は炭酸の清涼感とホップの苦みを特徴とするラガー、特にピルスナーが主流となっているいるが、ラガーはビールの歴史の中では比較的新参であり、ラガー以外にもエールなどのさまざまな種類のビールが世界中で飲まれている。漢字では麦酒(ばくしゅ)と表記される。
ビールの主な原料は水、デンプン源(麦芽など)、ビール酵母、香味料(ホップなど)である。多くの場合、大麦の麦芽を主原料とし、副原料としてアサ科のホップやトウモロコシ、米、砂糖等が使われる。特にこれらの副原料は大麦麦芽でも製造は可能である。アフリカでは栗、ソルガム、キャッサバの根が、ブラジルではジャガイモ、メキシコではリュウゼツランがデンプン源として使われる。
ビールの原料でよく耳にするホップとは、 現在、商業用に生産されているビールのほとんど全てには、風味付けとしてホップが使われている。ホップは和名をセイヨウカラハナソウというつる性植物で、その花はビール製造において風味付けと保存性を高める機能を持つ。ホップは元々はドイツのヴェストファーレン地方にあるコルヴァイ修道院のようなビール醸造所で、西暦822年から使用されていた。だがビールに使用するための大量栽培が開始されたのは13世紀になってからである。13世紀から16世紀までの間、ホップは最も主要な香味料として使われるようになっていった。しかし、それ以前には、他の植物(例えばGlechoma hederacea)が香味料として使われることもあった。 グルート(gruit)と呼ばれるニガヨモギなどの様々なハーブ、ベリー類も、現在のホップと同じように、ビールの香りづけに使用されていたこともある。 現在製造されているビールで、香りづけにホップ以外の植物で使用しているものはScottish Heather Ales companyのFraochやla Brasserie-LancelotのCervoise Lancelotなどである。ホップは、麦芽の甘みと調和のとれた苦味をビールに与え、また花や柑橘系、ハーブのような香りをビールに与える。ホップには抗生物効果があり、ビール醸造に寄与しない微生物を抑え、ビール酵母が有利に働く環境を整える効果がある。他にも泡持ち(ヘッドリテンション)の長さに寄与し、保存力を高める効果がある。
次によく耳にするビール酵母について記載します。 ビール酵母は穀類から引き出した糖を代謝し、エチルアルコールと炭酸を生成する。酵母の働きによって麦芽汁がビールになる。また酵母はビールの個性、味わいにも影響を与える。 ビール酵母には、発酵中に発生する炭酸ガスとともに液面に浮かび、褐色クリーム状の泡の層を形成する上面発酵酵母と発酵末期に槽の底に沈殿する下面発酵酵母が存在する。製造に前者を用いるビールを上面発酵ビール(エール)、後者を用いるビールを下面発酵ビール(ラガー)という。最も主要な上面発酵酵母はSaccharomyces cerevisiaeで、最も主要な下面発酵酵母はSaccharomyces uvarumである。バイエルンの白ビールではTorulaspora delbrueckii(英語版)が働く。 酵母の働きが解明される以前は、空中を漂う自然酵母によって発酵を行っていた。いわゆる自然発酵ビールである。大部分のビールは純粋培養の酵母を加えることで発酵を行うが、ランビックのようなごく一部は現在も自然発酵で製造されている。自然発酵ビールのランビックでは主にBrettanomyces属の酵母が働く。
Wikipediaを引用